マレーシアEPの取得条件・カテゴリー・最低給与【2026年6月改定版】

マレーシア・クアラルンプールのスカイラインとペトロナスツインタワー マレーシア法人設立・EP
クアラルンプールのスカイライン(筆者撮影)

マレーシアの就労ビザ(EP=Employment Pass)について調べている方は、まずこの一点を確認してください。

2026年6月1日から、EPの条件が大幅に変わりました。 最低給与要件がほぼ倍増し、さらに在留できる最長年数が初めて明確化されています。

私自身、2025年にマレーシアで現地法人を設立し、これからEP取得に進む段階です。つまり私が申請するのは、この新基準の下ということになります。古い情報のまま計画を立てていた部分があり、調べ直して認識を改めました。

この記事では、改定後のカテゴリー区分・最低給与・有効期間を整理します。

⚠️ 前提

この記事は2026年7月時点で公表されている情報をもとにしています。運用の詳細は今後のガイドラインで示される部分もあります。申請時には必ず内務省ESD/MDECの公式情報と認定エージェントにご確認ください。


1. 結論:最低給与が「ほぼ2倍」になりました

2026年1月14日、マレーシア内務省(MOHA)はEPの全カテゴリーで最低給与要件と有効期間を引き上げると発表しました。これらの変更は、2026年6月1日以降に提出される新規申請および更新申請に適用されます。

カテゴリー旧・最低月額給与新・最低月額給与(2026年6月1日〜)最長有効期間
EP1(上級管理職・高度専門職)RM10,000以上RM20,000以上最大10年(現行1〜5年)
EP2(中級管理職・専門職)RM5,000〜9,999RM10,000〜19,999最大10年(現行1〜2年)
EP3(技能職・ジュニア専門職)RM3,000〜4,999RM5,000〜9,999

すべてのカテゴリーで約2倍という大きな変更です。

日本人の現地採用で最も多いのはEP2(カテゴリーII)で、ここがRM5,000 → RM10,000へと倍増しました。つまり現地採用で働ける最低ラインがRM10,000になったということです。


2. 見落としてはいけない「最長10年」ルール

給与の話が注目されていますが、実はこちらのほうが影響が大きいと指摘されています。

新制度では、カテゴリーごとに最長年数(最大10年)が設定され、原則としてその期間を超えての更新はできないとされています。従来は明確な上限がなく、更新を重ねて長期間働き続けることが可能でした。

つまり、「マレーシアで無期限に働き続ける」という前提が崩れたということです。長期の移住計画を立てている場合、この10年という区切りをどう扱うかを考えておく必要があります。

なお、最長10年のカウントは今後のEP取得からで、改定前の在留期間には遡及しないとされていますが、詳細はガイドライン待ちの状態です。


3. 今すでにEPを持っている人への影響

ここは重要なので分けて書きます。

  • 2026年6月1日以前に発行されたEPは、有効期間中は旧ルールのまま継続されます
  • ただし更新申請のタイミングで、新しい最低給与基準を満たしているかが審査されます

つまり、現在RM7,000〜9,000台で働いている方は特に注意が必要です。更新時に新基準(EP2ならRM10,000以上)を満たしていなければ、継続して働けなくなる可能性があります。

「自分はもうEPを持っているから関係ない」とは言えない、という点を押さえておいてください。


4. サクセッションプランという新要件

給与以外にも新しい要件が加わりました。EP2については、マレーシア人を後任へ育成する「サクセッションプラン」の策定が求められるとされています(詳細は未発表の部分もあります)。

これが示しているのは、今回の改定が単なる給与額の変更ではないということです。「外国人材からローカル人材への知識移転」を制度として求める方向で、背景には自国民の雇用機会を守る狙いがあります。

実務的な意味はシンプルで、「その給与を払えるレベルの仕事でなければ、外国人は雇えない」という枠組みになったということです。


5. 法人設立からEPを取る場合(私のケース)

ここまでは主に「現地企業に採用される」ケースの話です。私のように自分で現地法人を設立し、その会社から自分にEPを出す場合は、次の点も併せて満たす必要があります。

  • 会社の払込資本金が一定水準に達していること(外資100%ならRM50万が目安、業種によりRM100万規模)
  • 事業ライセンス・許認可を取得していること
  • 外国人就労ポストの申請が認められること
  • そして今回の改定により、自分に支払う給与も新しい最低基準を満たす必要がある

つまり、「会社を作れば自動的にEPが取れる」わけではありません。 資本金・許認可・給与水準・会社の実体(オフィス、事業内容、雇用計画)が揃って初めて審査に乗ります。

正直に言うと、私はこの改定を調べる過程で、当初想定していたより給与設定のハードルが上がったと認識を改めました。法人設立と並行してEPを検討している方は、改定後の基準で試算し直すことを強くおすすめします。


6. これからEPを取る人が確認すべきこと

  • 自分(または対象者)がどのカテゴリーに該当するか
  • そのカテゴリーの新しい最低給与を満たせるか
  • 最長10年という在留期間の上限を、長期計画にどう織り込むか
  • EP2ならばサクセッションプランの準備が必要か
  • 法人設立からEPを取るなら、資本金・許認可の要件も同時に確認
  • 現在EPを持っている場合、次の更新時に新基準を満たせるか

まとめ

  • 2026年6月1日以降の新規・更新申請から新基準が適用
  • 最低給与は EP1がRM20,000以上/EP2がRM10,000〜19,999/EP3がRM5,000〜9,999。全カテゴリーでほぼ倍増
  • 最長有効期間が最大10年に法定化。原則それを超える更新はできない
  • 既存EPは有効期間中は旧ルールだが、更新時に新基準で審査される
  • EP2はサクセッションプランの策定が求められる
  • 法人設立からEPを取る場合は、資本金・許認可・給与水準・会社の実体をすべて満たす必要がある

設立からEP取得までの流れはこちらの実録記事、必要な払込資本金は払込資本金の記事、MM2Hとの比較はMM2HとEPどっち?にまとめています。制度が動いている最中の領域です。私自身の申請の経過も、分かり次第この記事に追記していきます。


免責事項:本記事は筆者個人の調査と体験に基づく情報提供であり、移民手続き・法務に関する助言ではありません。制度の詳細や運用は変更・追加される場合があります。実際の申請にあたっては、必ず公式情報(内務省ESD/MDEC)および有資格の専門家・認定エージェントにご確認ください。

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