マレーシアに家族で移住する場合、自分のビザだけでは足りません。 配偶者と子どもにはDependent Pass(扶養家族ビザ)が必要になります。
そして「子どもを連れて行く」となると、ビザの話と学校選びが同時に走り出すことになります。私も現在、EP取得の準備とインターナショナルスクールの調査を並行して進めているところです。
この記事では、Dependent Passの基本と、2026年の重要な変更点、そして学校選びとどう連動させるかを整理します。
⚠️ 前提
制度は改定されます。この記事は2026年7月時点の調査に基づく個人的な整理です。実際の申請にあたっては公式情報(内務省ESD)および認定エージェントにご確認ください。
1. Dependent Passとは
Dependent Pass(DP)は、就労ビザなどを持つ人の扶養家族が同行して滞在するためのビザです。
重要なのは、これは本人のビザに紐づくという点です。つまり、
- まず自分がEP(就労ビザ)を取得する
- そのEPを土台に、家族のDependent Passを申請する
という順序になります。家族だけが先に長期滞在ビザを取ることはできません。 ここが移住スケジュールを組むときの制約になります。
一般的に対象となるのは配偶者と一定年齢以下の子どもです。年齢の上限や、親を呼ぶ場合の扱いは制度上の区分が異なるため、個別に確認が必要です。
2. 【2026年の重要な変更】カテゴリーIIIでも家族帯同が可能に
これは知っておく価値のある変更です。
2026年6月1日以降の新規申請から、EPのカテゴリーIII(EP3)でも家族帯同ビザ(Dependent Pass)の取得が可能になりました。
従来、カテゴリーIIIは家族帯同が認められていませんでした。つまり技能職・ジュニア専門職の区分で働く人は、家族を連れて行けなかったわけです。ここが緩和されたのは、家族移住を考える人には明確な前進です。
ただし注意点があります。同じ2026年6月1日の改定で、EPの最低給与要件がほぼ倍増しています。カテゴリーIIIの給与基準はRM3,000〜4,999からRM5,000〜9,999に引き上げられました。
つまり、「家族帯同できるようになったが、そのカテゴリーに入る給与ハードル自体が上がった」という構造です。緩和と厳格化が同時に起きているので、単純に「楽になった」とは言えません。
3. MM2Hの場合はどうなるか
家族での移住を考えるとき、EPではなくMM2H(Malaysia My Second Home)を検討する方もいます。
MM2Hでは、配偶者・子ども・両親を扶養家族として含めることができます。家族の範囲という点ではEPより広いのが特徴です。
ただしMM2Hには決定的な制約があります。就労ができず、さらに新MM2Hでは現地法人の役員(Director)にもなれません。 つまり「働かずに、資産収入で暮らす」前提の制度です。
- 親が現地で働く・事業をする → EP+Dependent Pass
- 親が働かず、教育目的で滞在する → MM2Hも選択肢
という整理になります(詳しくはMM2HとEPどっち?で比較しています)。どちらを選ぶかで、必要な資金の性質(定期預金と不動産の拘束か、給与と資本金か)がまったく変わります。
4. 教育移住なら「ビザと学校」は同時に考える
ここが実務上のポイントです。子連れ移住では、ビザと学校選びは切り離せません。
理由は3つあります。
① 学校の入学手続きにビザの状況が関わるインターナショナルスクールへの入学では、子どもの滞在資格が関係してきます。学校側の要件や入学時期との兼ね合いを確認する必要があります。
② 学校の場所が住む場所を決める通学距離は毎日の生活に直結します。クアラルンプール中心部か郊外か、ペナンやジョホールか——学校を先に決めると、住居エリアがほぼ決まります。逆に住居を先に決めると、選べる学校が狭まります。
③ 学費が資金計画に大きく影響するインターナショナルスクールの学費は学校によって大きな幅があります。しかも授業料以外に、入学金・デポジット・制服・送迎・アクティビティ・試験料といった費用が積み上がります。ビザのための資金(資本金や定期預金)と、学費の両方を同時に見る必要があります。
実体験:私も並行して進めています
私は現在、EP取得の準備とインターナショナルスクールの調査を同時に進めている状況です。
正直に言うと、当初は「まずビザ、次に学校」と順番に考えていました。しかし実際に学校を調べ始めると、学校の年度開始のタイミング、エリアごとの学費差、通学の現実性といった要素が絡み、ビザのスケジュールとの調整が必要だと分かりました。
子連れで移住するなら、ビザと学校は最初から並行して情報を集めるべき——これが今の実感です。
5. 申請にあたって確認すべきこと
- 自分のEPのカテゴリー(EPの取得条件・最低給与はこちら)(カテゴリーIIIは2026年6月1日以降の新規申請から家族帯同可)
- 対象となる家族の範囲と年齢要件
- EPの承認が前提になるため、家族のビザ取得時期は自分のビザに連動する
- 学校の入学時期・必要書類・滞在資格の要件
- 学費の総額(授業料以外の費用も含めて)
- 住居エリアと通学の現実性
まとめ
- Dependent Passは本人のEPに紐づく。家族だけ先に取ることはできない
- 2026年6月1日以降の新規申請から、カテゴリーIIIでも家族帯同が可能になった
- ただし同時に最低給与要件がほぼ倍増しており、緩和と厳格化が同時進行
- MM2Hは配偶者・子・両親を含められるが、就労不可・法人役員にもなれない
- 教育移住ではビザと学校選びは同時に進めるべき(住居エリアも学校で決まる)
次は、実際に調査したインターナショナルスクールについて書いていきます。学費の実態、エリアごとの違い、そして選ぶときに見るべきポイントを、調べた記録として残していく予定です。
免責事項:本記事は筆者個人の調査と体験に基づく情報提供であり、移民手続き・法務に関する助言ではありません。制度・要件は変更される場合があります。実際の申請にあたっては、公式情報および有資格の専門家・認定エージェントに必ずご確認ください。

